Q
「心にもやもやを抱えているのは確かなのですが、何から話せばいいのかとても悩みます。自分の作った文章で、抱えているモヤモヤを正確に伝えられるか自信がありません。それでも、私の気持ちを酌みとっていただくことはできるのでしょうか?」
A
これは、実際にやり取りをしてみないと何とも言えないところがあります。
もし、ここで「大丈夫ですよっ!」などと言ってしまっては、事務的に流したお返事となってしまうからです。いえ、職業人としては「大丈夫です!」と言うべきなのかもしれません。
この迷いを冷静に見据えながら、私から確実に申し上げられるのは、「口から出まかせの売り込み文句を言うことよりも、取り組みの方を重視してゆきたい」という願いが私の中にはあるという点です。やってみなければわからない。これについてはカウンセリングに限らず、物事の本質のひとつであると、私は思っています。
その上で、見ず知らずの人間に相対した際、酷い扱いを受けたくない・下手に傷つけられたくないと思ってしまうお気持ち、その通りであるなあと思いました。
一方で‥‥。
一方で、あなた様においては、やる前からあれこれと不安を巡らせてしまうことが、ひとつの生き辛さともなっているのかもしれないとも感じました。
失敗も間違えることもなく、確実に得られる保障のあるものから何かを学べたら‥。もしも、そんな思いに近いものがあるとしたならば、その点に向けて、私がお伝えしたいのは次の通りです。
カウンセリングの本質はそのモヤモヤの破片を集めて整理していくものですので、伝えようとしてみる価値は充分にあると思います。ですから、「伝えるということにおいて、とにかく優秀であること」があなた様に、最初から求められているとあなた様が思ってしまうのだとしたら、それは半分は錯覚です。むしろ、あなた様にはやり取りにおける失敗やうまくゆかなさを体験しながら何かを獲得していって欲しいと、心から思います。
正直なところ、私も、ここであなた様の言葉が100%拾えるとは、胸を張って言えないことの方を敢えて(意図的に)選択したいと思います。ちょっと矛盾した言い方になるのですが、私という人間は、100%拾えるというおごりこそが、相手のことを見落とすのではないかと考えているからです。
綺麗ごとを取っ払って申し上げますと、関係を持つということは、相手だけがすこぶる察し上手でもうまくゆかないのが現実です。
一方で、不器用な人同士でも、「相手に、しっかりと伝えたい。相手を大切に理解したい。」と思いながら接することで、優秀者が一名いる組よりも、なんぼも人間関係を育ててしまうことがあるのです。
こうした側面から申し上げるのであれば、私どものカウンセリングにおける特徴の例としては、次のような表現となります。
「支離滅裂な表現を時間をかけて拾わせていただくことが何よりも大切であり、むしろ、そうして上辺に留まらない受け取りが進んでいく。理解が深まっていくということは、不肖な私の下においても、コツコツと、着実に、起こっています。」と‥。
もちろん、中にはいらっしゃいます。文章を書くことというより感情を言語化することがどうしようもなく苦手でメールを綴るのも読むのもストレスにしかならないというかたが。この場合は、その言い表せなさについてよくよく吟味した上で、無理をせず、途中で面談でのカウンセリングをご提案させて頂いております。
さて、お話を戻します。私からすれば、冒頭のような問いをくださったあなた様は、「現時点での自分の言葉を通してでは、心のブロックをバラバラに吐き出すだけで、とにかく、精一杯なのだ」と、おっしゃっておられるようにも拝見出来ます。
それでは、それでは、カウンセラーはそんな時、そうしたあなた様にどのように対応を行ってゆくのでしょうか‥?
一つは、あなた様について、とにかく根気よく聴き込んでゆこうと思います。その経過の中で、それらバラバラのブロックを色々に繋ぎ合わせてみては、「こういう「形」なの?」「どんな形?」等、あなた様に伝え返していこうと思います。
そこでまた、あなた様の協力が必要になってくるわけです。その「形」に対して、自分の心はどう感じているのかを教えていただかねばなりません。そうでなければ、あなた様に沿って、あなた様のお話をカウンセラーがお聴き出来ているのかどうかがわからないからです。
このようにして、根気よく、目に見えない領域を整合し、捉えやすくしてゆくのです。
そうして、気づきのブロックを根気よく築き上げていく・・・。
これこそが、分かり合うという過程、即ち、カウンセリングです。
意識されないことが多いですが、たいへんな作業でもあります。むしろ、カウンセラーの慎重さや根気よさもそうですが、クライエントさんにとってもそれらが必要となってくる厳密なプロセスです。
あれ?こう話してみると、むしろ最初はバラバラであってよいのかもしれませんね。
つまり、モヤモヤを組み立てることを時間をかけて行っていけばよいのではないかと、カウンセラーとしての私が思っていることを申し上げたいのです。それに、何と言っても、やり取りをしてみないことにはその先を実感出来ないことも現実です。
ですから、あなた様がモヤモヤを出来るところまで形にして文章にしてみることが、とにかく、シンプルに重要な第一歩となるのではないでしょうか。
もちろん、カウンセラーにとってわかりづらければ、こちらからも、興味本位ではなく、理解を進めるために、それはきちんと申し上げますので( ・_・ ゞ-☆
クライエントさんは、いきなり始まりのゼロから数字の1≠ヨたどり着くのではなく、着実に、0.1∞0.2∞0.3≠ニ少しずつ歩いていけば、それでいいのだと私は思います(^_^)
何故ならば、クライエントさんにとって必要なのは、その小さくて確実な歩みを辿っていくことなのだから。そういう歩みから見つかっていくものを探しておられるのが、クライエントさんなのではないかと私は思っています。
だからこそ、時には後戻りをしたり、そういうのもありだと思います。
そして、慎重さを基盤としながらも、時満ちたと感じた時には、カウンセラーが、あなた様の背中をぽーんと押すこともあることでしょう。
それにしても、それにしても‥。
なかなか表現出来ないことに対しては、自分にも相手にも、ペースを合わせてゆっくりと歩を進めてゆきたいものですね(*^ー^)人(^ー^*)